「Farcry5」はお手軽狩猟シミュレータ
「狩猟ゲー」というものがある。モンハンや討鬼伝のような「狩りゲー」ではなく、ハンティングのゲームだ。
この「theHunter」はハンティング・シミュレータに近くて、風向きや足音に気を配りつつ獲物を探し回ったり、1時間かけて見つけた獲物をしとめられなかったり、気軽にできるハンティング体験とは程遠い。
あの「野を駆け回り、探索の末、獲物を狩る」という行為を、ぐっと遊びやすくしたゲームが「Farcry5」だ。
私はそこを勘違いしていた。
巨大カルトに立ち向かうという斬新な出発点に期待を高めていたが、軽薄なストーリー展開、子供だましのような設定、低質で足並みの揃わないシステムなど、不満を感じつつプレイしていた。
しかし、そんなものは重要でなかったのだ。
美麗な田舎の風景を楽しみつつ、野山を駆け回っていればいい。狩りをし、魚を釣り、売られた喧嘩を買って敵の頭をぶち抜いていればいい。そういうゲームだった。
あと、今作の敵は「アメリカの片田舎にある巨大カルト」だけど、そっち方面の洗脳とか生活のネタは特になかった。単なる「謎のドラッグを使う暴力集団」という感じ。
告白だの許しだの教会だの、その他七つの大罪ワードが出てくるからカソリックっぽいんだろうけど、ラスボス戦は「蘇生合戦」という神と神の戦いみたいになってるので、もう敵のボスは神と言っていいと思う。
要は、巨大カルトを取り上げたくて敵にしたというわけではないっぽい。
長らくドイツやら北朝鮮やら「外国」を敵にしたゲームは多く、他にも「異教徒」「異文化」を敵に配置するケースは多かった。しかし、昨今はリアルにそういう人たちが主犯のテロが起きてるし、移民が多いために隣人を悪役にしてしまうケースだって多いだろう。そういった外部を敵にするのではなく、内部にいるよくわからんものを敵にしたほうが好都合なんではないか。あくまで妄想だが。
主なストーリーミッションも一通り終え、あとは収集物を集めるか、オンライン要素を楽しむか、と言う感じ。
クリアまで12時間、今の時点で16時間だから、おそらく相当駆け足だし、Farcry5の世界もとい生活を満喫できていない。
そんなわけで、また生活をはじめるかどうか気にしつつ、すっかり争いの終わったあの場所を退屈に感じるなら、また最初からやるかもしれない。
最後に、プレイ中に感じて軽くメモってた気に入らない部分の供養をしておく。
没入感をそがれる
- 「絶体絶命だ!」ってシーンで、「難易度ハードの釣り場を見つけて、州記録を破ろう!」というテロップが現れる。
- 「エリアから離れている! リスポーン地点まで戻ってください」
- しゃがみ移動より遅く、律儀に道を通って移動するパートナー。少し離れると「パートナーから離れすぎている」昔のGTAの追跡ミッションか。
- 緊急警報が鳴り響くボロボロの建物から脱出してるときでも、大量の信者が自分を殺すためにとどまっている。「(無線)何してる!早く脱出しろ!」戦ってます。
- 住民と会話してる途中でも、無線が入ってくるし、意識を失ってしまう。
- ステルス中でも仲間がうるさい。「もらしたかも」Skyrimのムジョルか。
- 住民が挙動不審で話ができない。勝手に移動されて「おい!どこいくんだ!」
- ミッション攻略のリスポーン地点が一箇所。「(無線)正面にバリケードが見えるだろ?」見えない。同じオープンワールド拠点攻略ゲー「MGS:TPP」はもう少し気を使っていた。
- 遊びやすさ重視で採取モーションなど削除はいいけど、それなら一人称視点にこだわらないでいいのでは。画面いっぱいの上半身裸のおじさんに見つめられながら3分間話聴くイベントとか、怠慢に感じる。
不具合
- 低空でパラシュート開くと地中に入れる
- ミッションの最後で相打ち死すると完了扱いで、その後の会話が聴けない。
- Uplayの実績表示が滲んでて読めない
- サウンド調整できないならオプションで細かく設定させてほしい。吐息がうるさすぎる。
- HUDが見にくい。方位わかりづらい。目的地ハイライトみづらい。色覚補正する前にしっかりしてくれ。