「アーシャのアトリエ」クリア後の感想文

アーシャのアトリエplus」クリアしました。

 

終わってみれば、いいゲームだった。

ゲーム体験は大きく分けて2つある。「このゲームを遊べてよかった!」と衝撃を受けるようなポイントがあるものと、そういうものはないけど遊んでて楽しくて、愛着がわくものだ。

アーシャのアトリエは圧倒的に後者だった。

「勝利」ではなく「幸せ」。「最強」ではなく「無敵」。と言う感じ(何言ってるかわからん)。

 

最初はあまり気に入ってなかったけど、いつの間にか好きになっていた。

アーシャやレジナの声にも慣れていけばかわいらしく感じるし、ウィルベルやメリエッタさんはとても魅力的だし、ユーリスさんはイケメンだ。リンカやマリオン、ナナカもよかった。みんなだいすきだ。

黄昏の世界観も非常にいい。Vitaだけど、景色がきれいだと思った。

あと、音楽がいい。本当にいい。

トトリの「RedZone」やソフィーの「雲雀東風」のような、一度聞いて「めちゃくちゃいい!」と目立つ曲はないけど、ゲームを遊んだあとこそ引き立つ感じは、まさにBGMという感じで最高。私はソフィーのサントラをよく聴くんだけど、これからはアーシャも聴くことになりそう。

それと、イベントスチールに関してはアーシャのほうがとても良い。

私はイラストレータとしては岸田メル氏やNOCO氏ゆーげん氏のほうが好みだけど、ゲーム内で現れたときにテンション上がるのは、左氏のイラストだ。

 

 

あまり他作品を腐して褒めるべきではないが、「フィリスのアトリエ」が足りないものを色々持っていたと思う。

話もコンパクトにまとまっていつつ、キャラやキャラ同士の関係性を深めるのに役立っている。キャラの掘り下げ自体はどちらも同じくらいかもしれないが、人間関係の描写は圧倒的だ。

あと、最近だと「BLUE REFLECTION」でもあったけど、話が進むごとにモブキャラも時間を経て変化していくのがとても良い。私はこういうの好きなんだな。ゲーム世界を感じられる。

フィリスは一度依頼やイベントを達成するとそれで終了、というのが多すぎた。本当のモブキャラだけならまだしも、名前とビジュアルとざっくりとしたキャラ設定だけわかってそれ以降何もない、というのがダメというか、ガッカリしてしまう。

 

一方で、採取と調合の楽しさはフィリスが強い。

素材の品質や特性が固定なのは、簡略化された分それだけ手応えがないし、「攻略サイトを見てその答えに従う」が一番ラクになってしまっている。

結局、採取を怠っていなければ、最強装備を作るにあたってひたすら工房にこもるだけでいいので、やってて飽きる。特性や品質でソートして、自分で考えること皆無なのが悲しい。

広い世界を探索して回る楽しみを味わえるのはフィリスの特徴だからっていうのもあるけど、それにしたってアーシャはこのあたりが退屈だった。

 

 

そんなわけで、全体的に良かったです。

仮に「アトリエシリーズはどれからやったらいいかわからない」みたいな人がいたとして、その人が心惹かれそうなものをやるのが前提として、「ソフィーのアトリエ」がオススメだと思っている。

けど、この「アーシャのアトリエ」も相当良い。ストーリーやBGMといったわかりやすい要素が良質なので、かなりとっつきやすいのではないか。

これから黄昏三部作を遊ぶ予定なので、非常に楽しみである。