「新妻ラブリケ」全ルートクリアした最高だった

「新妻ラブリケ」全ルートクリアしました。

 

最高かよ。もう一度いう。最高かよ……。

 

自分自身それほど結婚について考えてきたわけではないけど、同年代が次々に結婚していく年齢になると、それなりに現実感のある結婚像を抱いてしまう。

たとえば、専業主婦でもいいけどお互いに別の世界とのつながりを持っていてほしいし、そうなると育児するにあたって核家族は限界あるし、近隣で協力的な関係にある存在が必要だな、とか漠然と考える。

この「新妻ラブリケ」は、3人中2人が専業主婦志向で、なおかつ「妻は夫に尽くし、支えなければならない」を前面に押し出す。基本的に閉じた趣味だし、これから子どもができて、細切れにしか眠れない毎日が一年近く続き、24時間理不尽な扱いをされたときに、つらい思いをすることになるだろうと推測でき、「ムムム……」となってしまう。

 

これは別に稚拙だとかそういう話ではなくて、恋愛も結婚も本来個人的なものであるものの、恋愛がフィクションや伝聞からの模倣が主なために「そういうものだ」と受け入れる準備ができている一方、結婚のイメージはリアルであるため、そのあたりが気になってしまう、ということだ。結婚がゴールのように扱われがちなのは、フィクションの影響が強い。

だからこそ、登場人物の言動に賛同できないことが非常に多い。

自分のことをプレイヤーの名前で呼んでもらえるシステムを採用していることから「主人公=プレイヤー」なはずだけど、話の進み方は主人公という別の人間が自らの意思によって行動している。

感情移入できないとか質が低いのでは決してなく、これはテーマが結婚である以上切り離せない問題と言っていいものだ。

 

 

それを踏まえた上でもう一度言う。

最高かよ!!

 

一番良さがでているのが、乃々ルートだと思う。

乃々と出会って、仲良くなって、付き合って、結婚して、一年の結婚生活を送る。それとは並行して、乃々は夢に向かって努力し続けていて、そこに主人公の人生は絡め取られる。料理の知識と技術を習得していき、そのことが特別でなくなっていく。単なる常連客だったのが、初々しいカップルになり、家族になっていく。魅力的な脇役や、日を進めるごとに起こる「なんてことないイベント」が、それらを補強している。

作中で「相手の良さを見つけるのが恋愛で、それが変化していくのを見続けられるのが結婚」みたいなセリフを乃々が言うんだけど、まさにそんなシナリオだった。

 

 

先に挙げた「主人公≠プレイヤー」問題も、この良さがあるからこそ、それほど欠点として感じなくなる。

これから大変なことも起こるだろうけど、二人で協力してがんばってくれ。末永くお幸せに。プレイヤーが体験できる2年間よりもずっと長い期間、ともに暮らしていく二人に、そう願うことができた。

「主人公≠プレイヤー」である以上、屋外セックスみたいな倫理的に怪しい行動だって、それは当事者の問題だ。二人が仲良くて、お互いの了解の元の好意なら、好きにやってくれと思う。だって夫婦なんだから。

その世界の住人の幸せを願うことができる作品は名作だ。だから新妻ラブリケは名作だ。

よかったです。

 

 

あとバグがひどいとか色々言われてますけど、とりあえずパッチ1.05時点で特に困るようなことはなかったです。

水泳にずっとnew!マークがついているとか、あとは設定開いただけで未プレイのヒロインから「エロいのとかはダメだからね!」と言われて「あぁ、そういう関係になるんだな……」と軽いネタバレされるシステムはあるにしても、全然無視できました。

とりあえず最新パッチと高画質パッチ当てると良さそうです。