「Distortions」「RotationGirl」

Distortions

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私はでかいものが好きで、オフィス街の高層ビル群を眺めつつ散歩するのが好きだし、街で180越えてるような女性を見かけるとつい目で追ってしまう(仲良くなりたい)。

そんな自分が身震いするほどの絶景を体験できた。アーバンな住宅、巨大建造物の廃墟、非現実的な大自然、そしてそういった要素が混ざり合う演出に心を撃たれた。

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以上が2時間遊んで抱いた、このゲームの良い点です。

それ以外の部分は大抵良くない点だと言っていい。バグが多い、画面のチラツキで目がしんどい、コントローラ対応とは言い難い、視点操作が適当なので移動ミスからの落下死が多い、どこに進めばいいかわからない、キャプションのタイミングが微妙、ゲーム部分が邪魔、戦闘があるのかわからないときに「Health」みたいなネタバレやめてほしい、楽器演奏モーションが雑、なぜドレミファの4音だけなのか、など。

こうして見ると、「BlueReflection」に近いのかもしれない。そして、ブルリフが優秀なのは、映像美などを楽しむのにゲーム部分がほぼ邪魔しないところ。「Distortions」はHUDを極力排除しているんだけど、それが非常に遊びにくくしている。視線誘導とかが相当良くないと難しいってことは誰でもわかるわけで、挑戦した結果失敗したと言う感じだろうか。オプションは文字を選択するわけだし、ジャーナルを開く描写だって妥協したように感じる……。

 

新しい景色を見てみたくて進めてるんだけど、やはりゲーム部分が進行を邪魔してくるのがつらい。

詰むのだけは勘弁。

 

 

Rotation Girl

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フリゲです。

全開で終盤の話をするけど、あの複数の意味に取れる感じがとても良いですね。

現実からの逃避としてゲームを遊び続けている主人公が、終わらないゲームの中に友人を見出し永遠に遊び続けるのが1つ目のエンディング。そして、ゲームを終わらせて現実に帰るのが2つ目のエンディング。そして、その主人公もゲーム内の友人も作られたゲームだったんだ、というのが3つ目のエンディング。

さて、その3つ目のエンディングで、ゲームをプレイしていた人物から「このまま待ってても、もう何も起きないよ」と私達に向けて言われる。要は、「RotationGirlはこれで終わり」ってことをプレイヤーに伝えているわけだ。

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これはいろいろな人に向けて言ってるように感じた。

まずこの「RotationGirl」をプレイしているプレイヤーに向けて。そして現実逃避でゲームを遊んでいる主人公に向けて。もしかしたら、彼女のいる世界における心が折れた兄に向けて。この兄についての描写が少なすぎて、もし「例のアレ」とかが分かる人にはわかるネタだったら誤解な可能性高いので一旦保留。

同様に、この「RotationGirl」を、そしてあらゆるゲームを、いま自分がしなければならないことを放っておきながら、現実逃避しているプレイヤーに対して「このままゲームで遊んでても、何も起きないよ」と助言しているように感じた。

 

この日記にちょいちょい書いてるけど、私は「楽しいだけ」でゲームを遊ぶのは微妙だと思っている。何も考えず何も得ずに時間をひたすら浪費することにおいて、ゲームは非常に良質なジャンルなので、他の趣味より気をつける必要があると思っている。

ゲームを遊んでたらマレに、特定のゲームを特定の状況で体験できたからこそ得られるとんでもないメッセージを読み取ってしまう瞬間がある。そのゲームを必要としていたのは世界中で数十人くらいで、それを届けるために多くの人が楽しめるようにしたのでは、と感じるくらいに。

遊んでて楽しい、というだけでも意義があると思うけど、私はそういった人生変えてしまうようなゲーム体験を求めてゲームを遊んでいたいと思っている。

それは同時に、そういう体験が得られないならゲームは遊ぶべきではない、ということでもある。

そして、最近そういう感覚を持てていない私に、それはとても突き刺さるわけでして……。

 

ゲームを否定してるわけじゃなく、それどころかゲーム愛に溢れてるんだけど、だからこそゲームを現実逃避のツールにしても何の意味もないよ、ってこと。

個人的には「仕事で大切なことはOverwatchに教わった」とか「ハーレム作品から学ぶハーレム状態をつくる方法」とか、実際に解説できるし、現実に活かせるようなものは、確実にあると思っている。新入社員研修にOverwatchとかいいんじゃないかとか妄想する。

まあそれはさておき、こういうの良いよねぇ。ゲームっていいし、ゲームをつくるのっていいね。規模は小さくても、やりたいことがちゃんとできて、プレイヤーがいろいろ考えたり感じたりできるゲーム。うん。

 

 

他にも「DokiDokiLiteratureClub」とか「SCE_2」とか遊んだんだけど、どれも「登場人物がゲーム自体のデータを書き換える」という要素があったのは偶然だろうか。どれも単に惹かれるものがあってプレイしただけで、事前情報とかほぼなかったはずなんだけども。