Steamで「Perception」を買いました

 

5月30日発売の「Perception」を買いました。とりあえず第1章を終えたところまで。

 一言感想は「盲目設定が生かされてない」です。

 

日本では現在、Steamから買えます。GOGでも買えますが少し高い。Steamは2199円、GOGは22.99ドル。

store.steampowered.com

 

どんなゲームか

盲目の女性が屋敷を探索する、一人称視点アドベンチャー。あえてホラーとは言わない。

目が見えないのに一人称視点。ではどう世界を把握するのか、となりますが、主人公のCassieは音による空気の振動を利用します。自身の足音や、所持している杖で地面などを叩いて、どこに物や壁などの障害物があるのかを知ることができる。

要は、コウモリとかイルカのやるやつです。反響定位というらしい。だから自分が静止していると、画面は真っ暗です。

 

日本語ありです。下の画像から、大体の質は把握していただけると。

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主人公Cassieが「カッシー」と訳されてます。Steamのストアページだと「キャシー」なのに……まああっちは有志翻訳か。発音はもちろん「キャシー」。

フォントにもこだわってもらえると嬉しいですが、そんな贅沢いいませぬ。

 

好きなところ「効果音がよい」

自身の足音もそうですが、なにより素晴らしいのが、杖でどこかを叩いた時の音。

叩く対象がなんなのかわかってないから、木の床を「ボンボン」と叩いていたら、「カンッ!」と金属の机を叩いてしまい、ビックリする。

全体的によいです。これからのギミック次第では、突き抜けた評価につながりそう。

あと、叩いても音がしない机があったんだけど、これはバグ報告したほうがいいやつなんだろうか……。

 

嫌いなところ「走れる」

盲目の人が廃屋を走るって、ちょっと考えにくいです。

パラリンピックとかで、盲目のランナーは整備されたコートを走るのでも伴奏者が必要みたいですし、目が見える人でも不慣れな廃屋の中を走るのは、かなり厳しいです。

そこはゲームだから、というとらえ方もできます。ウォーキングシミュレータの評価で「走れないから、移動がだるかった」という意見はよく目にします。

 

でも、それなら壁に手をついたり、何かにぶつかったら動きが止まったりよろめいたりしてほしい。たしか「バイオハザード7」がそうで、かなり主人公がその場に存在してる感があって、臨場感があった。障害物を取り除くような時も、移動させている動作が一切描写されないのは、少し寂しい。(Capcomの超ビッグタイトルと、kickstarter発のインディーゲーを比べるのは不毛なんだけども)。

だから今のところ、こういう「音で世界を把握する」というコンセプトをやりたいがために、盲目の設定にしただけとしか感じられていない。もう少しいいギミックがあればいいのだが。 

 

なんとも言えないところ「ホラーゲームといっていいのだろうか」

視界不良の廃屋を探索することは怖い。幽霊は怖い。

でも、それは現実の話で、ゲームというかフィクションの世界でそれに頼ってしまってはいけないと思う。

 

口裂け女を例に挙げる。

「夜道を歩いていると、マスクした美女に話しかけられる」という話があるから、夜道を歩くのが怖くなる。

「わたし、きれい?」と聞かれたときにどの答えがベストなのか悩み、いざ聞かれたときを想像して不安になる。

「べっこう飴があれば逃げられる」があるから、べっこう飴を持っていないことが恐怖になる。

 

要は、恐怖の対象について、ある程度の情報と論理が必要なわけです。人知を超えた予測不能な力で問答無用に殺されるだけなら、もう受け入れるしかない。

「そうそう、これはゲーム。現実じゃないし、死んでも少し前のチェックポイントからやり直し。よくわかんねえけど、次はなんとかなるでしょ」

そうした冷めた視線にならないように、きちんと登場人物がその世界に存在していて、物語が進むための道具ではなく、いろいろ考えて行動していると感じていなければならない。

 

今のところ、Perceptionはこの辺がかなり薄い。

主人公がどういう人物なのか、動機や過去や考え方がよくわからない。幽霊はどういう意図で主人公を襲うのか、その廃屋はなんなのか、何が行われたのか。

元々ゲームで怖がることってあまりないせいもあるけど、怖くないです。不意に幽霊と出会ったとしても、拍子抜けしてしまった。チェックポイントが近くて助かった、程度の感想。

怖い素材を投入するだけでなく、それを料理してこそのホラー作品といえると思うので、今のところウォーキングシミュレータです。「廃屋で幽霊」ってだけで怖く感じる人もいるだろうけども、ちょっとねー。

そして、盲目設定なら「BeyondEyes」のほうが生かせているし、世界をどう把握するかという部分なら「TheUnfinishedSwan」のほうが新体験な感じがした。

 

まとめ「第1章終えただけでこんな文章書いている時点で……」

一応最後まで遊ぼう、と思いつつ遊んでたんだけど、プレイするより日記を書くことを優先している時点で、自分があまりいい印象を抱いていないと言える。

コンセプトは最高だと思う。ただ、その通りの作品だったとしても、好きになれないものだってたくさんある。

こういう書き方は好きじゃないけど、これで2000円は高い。一瞬でも重厚な体験があればゲームとしては良作だと思うし、Perceptionがそうでないとは言えないんだけど、そこまでの牽引力を感じられなかった。

逆にフルプライスのゲームくらいバジェットかけられてたら、もっとよかったのかもなあ、という愚考をしてしまう。

 

まぁなんていうか、ゲームのコンセプトって、割と思いつくわけですよ。「疲労度が最重要なマルチFPS」とか、「身体障碍者が主人公の群像劇TPS」とか。

だから「主人公が盲目の一人称視点ホラー」も大勢の人が思いついているはずで、それを形にできたのはすごいと思う。ということで自分を納得させる。